有り余るポテンシャルをどう生かし切るか
「ACモーションBファクトリー」が500Eでレース活動をスタートさせたのは1997年。500Eでサーキットを走るという、一見無茶とも思えるプロジェクトを始めたきっかけは、やはりこのクルマに対するちょっとした疑問と興味からだった。「最初はほとんどノーマル状態で走らせてみたんですよ。そしたら3周くらいでもう水温が限界にきちゃって。まずは水回りをどうにかするところから始めました」そこで冷却系を見直し、ラジエターを交換して新たにオイルクーラーを設置。同時にフレッシュエアを効率的に吸入するためのフィルターを導入し、ヘッドライト下部にエアダクトも追加した。
これらは「より速く走るため」のカスタムだが、この試行錯誤は街乗りにも生かされる。「サーキットで得られる結果は本当に参考になります。このクルマだって見た目は競技車両ですが、エンジンはノーマルのままだし、市販車にも応用できるチューンばかり。ミッションもATですが、それでも互角以上に戦えますね」その言葉通り、筑波のレースでは、911やM3など並み居る強敵を抑えて総合2位を獲得している。有り余るそのポテンシャルを生かし切れば、500Eはもっと速くなる。そのためのヒントが、このレースカーには詰まっている。
